GREEN WISE

WORKS

株式会社シグマ 本社ビル

1961年に創業し、いまや世界中に多くのユーザーがいるSIGMAのカメラ。
グローバル企業として技術革新と成長を続ける株式会社シグマ(以下SIGMA)の新社屋の建設にあたり、グリーン・ワイズが屋上庭園、オフィスグリーン、外構の設計、施工、維持管理を担当しました。

立地を生かし、毎日通うのが楽しみになるオフィスを。

「毎日通いたくなるようなオフィスを作りたい。今まで以上にコミュニケーションを活性化させたい。」という山木社長の想いのもと、このプロジェクトが始まりました。

SIGMAは2005年よりマイコンシティと呼ばれる川崎市麻生区の栗木地区に本社を構えています。当時より社員も増え、今までの社屋ではスペースが足りなくなっていたこともあり、新しい社屋の建設に至りました。
さまざまな候補地がある中、都心にはない栗木地区の魅力を再確認し、引き続きこの土地に根を下ろすことに。

移転先の区画は敷地に緑地が面しており、この緑地を生かすことが求められました。

新しいオフィスへの期待。植物を通して、どう実現するか。

山木社長の考えはもちろん、SIGMA社員の皆さまにもヒアリングを行い、課題を明確にしていきました。

◆新製品リリース時の発表の場や実際に体験してもらう場、SNSやYouTubeライブなどで発信するための場が欲しい
◆今後は部署ごとにフロアが分かれるため、今まで以上に社員同士のコミュニケーションを活発にしたい。
◆来社されたお客様との会話のきっかけがほしい。
◆社員が心身ともにリラックス、リフレッシュできる空間がほしい。

これらを実現するために植物を通して何ができるか、グリーン・ワイズは考えました。

人にも自然にもメリットのある、新しい共生の形。

まず陽の光が差し込むよう敷地に面した保全エリアの森を整え建物との間をつなぎ、社屋の窓から森の風景が見えるように設えました。屋内からでも日々季節の移り変わりや気候の変化などがよくわかり、自然をいっそう身近に感じられます。

森を整備することによって環境条件が改善され、その地に生息する絶滅危惧種に指定される希少な植物の保全にもつながります。さらに、剪定した枝は捨てずにウッドチップに加工し、屋上庭園の園路舗装材として再利用しています。

植物が少し身近になった日々。

屋上庭園はユニークな形・色彩豊かな宿根草を約60種類植え込んだナチュラリスティックガーデンを設えました。建物の間近に迫る栗木緑地の木々と合わさり、自然の中にいるような気分を味わうことができます。
日々表情を変えていく庭は、ふとカメラを構えたくなるような瞬間や被写体にあふれ、SIGMA製品を体験してもらう場としてうってつけです。

実際にSIGMA社員の方がSIGMAのカメラを使用して、屋上庭園で撮影した写真を見せていただきました。

撮影:SIGMA社員
使用機材:SIGMA fp + SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary

開放感あふれる吹き抜けの階段の途中に設けられた「コミュニケーションボイド」では、プランターの縁の幅にゆとりを持たせてスマートフォンや飲み物などを置けるようにしたり、枝葉が頭上で広がる樹形の観葉植物を採用し、より緑を感じられるようにするなど、心地よく過ごしてもらえるような工夫をしました。

各階をつなぐ階段にこのようなスペースがあることで、フロアや部署が違う社員同士のコミュニケーションが生まれることが期待されます。

敷地内では化学物質を含む農薬を極力使わない植栽管理を採用しており、安心して植物を楽しむことができます。
中庭ではハーブを育て、仕事の間に自分で摘んで楽しんでもらえるようハーブティーのワークショップを開催しました。

また、管理スタッフが定期管理の際に剪定した枝や花、ハーブを持ち帰れるようにしています。オフィスに飾ったり自宅で楽しんだりと、植物のある日常を楽しまれているようです。

「社員が花束を手にして帰宅する姿は、いいなと思う。新しいオフィスに移って、みんなの意識が変わってきている様子を感じられて嬉しい」という言葉を山木社長よりいただきました。

日々のルーティンに彩りや癒し、楽しみをプラスしてくれる植物。
これから植物を通じてどのようなコミュニケーションや新しい発見が生まれるのか、私たちも楽しみにしています。

《Information》

株式会社シグマ
所在地:神奈川県川崎市
竣工日:2022年5月

設計:KAJIMA DESIGN
施工:鹿島建設株式会社横浜支店
ランドスケープとインドアグリーンの監修・設計・施工・維持管理:グリーン・ワイズ
展示計画・家具:イワサキデザインスタジオ/岩崎一郎・Arper Japan
サイン計画:TSDO/佐藤卓、白石卓也