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IPM(総合的病害虫・雑草管理)

IPMとは、生態系への影響リスクの高い農薬や化学肥料の使用を最小限に抑えた総合的な病害虫・雑草管理の手法です。

以下の4つの防除体系を適切に組み合わせ緑地の本質的な環境改善を図る技術です。化学肥料や農薬だけに頼らず、自然が持つ力を活かしながら地域の生態系への負荷を低減し、より良い環境づくりに貢献します。

■生物的防除:病害虫を捕食する天敵の導入による防除など
■耕種的防除:植物の健全な生育を促す土壌環境づくりや適切な品種選びなど
■物理的防除:光や音、熱や防護ネットなどによる防除など
■化学的防除:特定の病害虫のみに効果のある薬剤を選定して使用するなど

これらの防除手法は緑地の状態、病害虫による被害の状況をよく観察することが重要です。その観察をモニタリングと呼んでおり、モニタリングのデータを元に、どの防除方法の組み合わせをいつ行うべきかなどをしっかりと植栽管理計画にフィードバックしています。

IPMフロー

化学肥料や農薬に頼らない緑地管理を前提に、設計段階から計画地の環境調査や適切な土地利用、適切な樹種選定・配置を植栽計画に反映させることで、IPM植栽管理の導入が容易になります。計画段階から考慮することで、生態系と景観において無理のないランドスケープを実現し周辺緑地との調和を図るとともに、自然が持つ力を活かした緑地管理が可能となります。

■従来の緑地管理手法の問題
・化学肥料や農薬の多用により、益虫や微生物が死滅して、予期せぬ害虫の大量発生や土壌劣化、植物の生育不良が起こり、緑地の生態系バランスが崩れてしまいます。
・農薬を続けて使用することにより、病害虫や雑草が農薬に対する耐性を持つことがあり、農薬の使用効果が得られなくなるという問題があります。

■IPM導入による効果
・病害虫の発生を予測し、化学農薬のみに頼らない様々な防除を適切に組み合わせることで、環境への負荷を減らし緑地の生態系バランスを整えます。
・短期的には手間やコストが増える可能性もありますが、中長期的には植物の健全な生育に役立つ益虫や微生物などが生育できる環境をつくりだし、化学肥料・農薬に頼らない管理方法になると考えています。

IPM(環境省「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」)
http://www.env.go.jp/water/dojo/noyaku/hisan_risk/manual1_kanri.html
IPM(農林水産省「総合的病害虫・雑草管理(IPM)実践指針」)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/g_ipm/

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