TOPICS
GREEN FORUM 第2回 建築家戸田晃
講演を建築家の戸田晃さん、コーディネーターを萩原修さん(国立デザインセンター・プロデューサー)にお願いし、対談形式で進められました。(萩原さんもこのフォーラムのことをWEB上で書かれています。)
戸田さんは、庭づくりを自分自身でも行える 希有な建築家で、庭と家を一体に捉えて設 計されています。
講演内容は、建物全体を論じるよりも扉や廊下などのディテール主体 に、その素材の風合い、光や風が通り抜ける中庭や土間、洗濯物を 隠さず堂々と吊せる日当たり抜群の干し場など、暮らしの構成要素に 関するものが多く、時折脱線しては、友達を招いてのお茶会や娘さん と庭で遊ぶ話に及び、あっと言う間の2時間でした。
里山に見立てて植えた雑木や山野草が生い茂る自邸の庭に、小鳥 が巣作りにやってくる話や雑木の合間を縫う小道を高尾の山道に見 立てて散歩を楽しんでいる話も印象的でした。
戸田さんの設計は、住み慣れた家を建て直す際にも、家そのものが持つ味わいや家庭の記憶を大切にする工 夫が随所に見られ、以前の延長線上に自然な形で続く暮らしを実現しています。
現代のスピード社会がついつい蔑ろにしてしまう手間暇が掛かるもの、永い時の流れによってしか手に出来な い経年価値を活かし、身近な自然がもたらす事象を家族と共に楽しみながら、暮らしを育む戸田さんの生き方 に強い共感を覚えます。
※同時開催の「住み込み」展では、戸田家の一部をアスタナガーデンに移植し、写真や娘さんが描いた素敵 なイラストなどと一緒に公開しました。